日本人の英語の学び方
カバが入水する様子。
この日は、陸ガメが入水する瞬間にも出会しました。こちらロンドンはこのところすっかり涼しく、夏の終わりを感じさせられます。
先日、中学一年生の生徒のレッスンをやらせて貰いました。その後、その子のお母様からの問い合わせで、
I read many books.
I read a lot of books.
の違いは特にないのかなぁ?
というような質問を受けました。
そのお返事で常日頃私が感じる「日本人の英語との付き合い方」について少し思うところを書いてみます。
まずこの二つの文章に大きな違いはありません。
だけどきっと日本人の繊細な特質上、そういう細かいグラマーの違いを言えるかどうかってすごく大事?になってくる。
私も日本には23歳までいたので日本で英語を独学で学んでいましたが(と書いたはいいが、ふと考えてみれば言うほど学んでいない。。イギリスに来てからいっぱい学びました!) とにかく「英語を学ぶ」姿勢の本が山のように出版されていて、いかに速く上達するかとか、ペラペラになるかとか、聞き取れるかとか、英検だ、TOEICだ、点数が何点だ、みたいな。。英語という「言語」にばかりフォーカスした内容のものばかり。
私は23歳で渡英してチェスターという片田舎からロンドンに移り、24歳で少し語学学校に通い、25歳からカレッジでビジネスの経営学を2年学びました。語学学校ではアドバンスのクラスになるとディスカッションとかが主になってきます。英語自体の学びには限界があるわけです。あとはいかにボキャブラリーを増やしていくかという領域に入るからです。
実際ホントの英語の力がついたのはカレッジでビジネスの勉強をしてからでした。「英語を学ぶ」のではなく、「英語で好きな分野を学ぶ」というのが最も時間の有効な使い方であると声を大にして言いたい!提出課題も多いので、とにかく本を速読、ネットでも調べまくり、授業は必死でかじりつくし、法律関係は量の多さに半泣きになりながら勉強していたのを覚えていますが、そういった中で自然と力がついていったんだと思います。
数年前に友人の子供が高校卒業間際で、これからどんな英語を学べかいいかと聞かれたので、これ以上英語の勉強をするよりは、看護と海外に興味のあったその子に、英検で2級のベースが既にあるなら、そこで上を目指すより、英語で看護系の参考書を読み進める方がずっと意味があると伝えました。
ただ、彼女はずっと日本で「英語を学ぶ」ことをやって評価を得て来たので、私の勧める英語の学び方よりも、英検のより上を目指す、という参考書ありきの学び方の方がしっくりくるわけです。
もちろん目的として大学や就職や何かで、ある一定の点数を取って初めて入学願書が出せるケースもあります。イギリスの大学へ入学するには英語の試験であるIELTS何点以上〜という規定があります。
ただやはりそれは非常にベーシックなレベルであって、せめてそれくらいの英語ができないと授業を受けられないとか、仕事にならない、極めて基準の話をしているだけなので、取るに足らない点ではありますが。
私が今回書き残したいのは、日本で「英語という語学を学ぶ」だけでしか英語に触れて来ない時期が長過ぎると、そこから出られなくなる可能性もあるよという話です。
ここのところ大学入試の変化などもあり、ただ単に民間企業が儲かる仕組みが作られただけじゃないのか?とも思われる政府の方針とか、小学三年生からの英語教育導入にしても、「会話」ばかりによりフォーカスされている時代の流れもありますし。踊らされてはいけないよ、と日本の親御さんに伝えたいです。
将来的に海外の大学進学の可能性がある家庭であるかどうか?もしあるなら何を学んでおくかが変わってきます。もしない場合なら、英語の読みやリスニングの方をメインに伸ばしておいても、いくらでも国内で学ぶチャンスがあるわけですし。そういう場合はどんなに日常会話を学んでいても、読めなきゃ意味がないと思いますし。
学校の点数はそこそこにして、そういった英語への向き合い方を、ご家庭でしっかり親御さんと話し合いながら方向性を決めていくのはとても大事なことではないかと思います。学校である程度の点数が取れるなら、基礎があるということなので、そこからどんな英語に触れていくのか?中学生なら子供用の新聞記事で、世の中で実際に起こっている出来事に触れていくことで興味関心、そして語彙も一緒に学べますし、有名な海外の作家の、子供用として書かれた本など、英語で何に触れていくのか?ということにクオリティーを上げてあげることで、その子の英語がより使えるものになっていくのかと思います。
日本国内にはそういったリソースがまだまだ足りないなとも感じますので、私はイギリス在住ということで、その辺にうまくアクセスさせてあげられるのが私の価値であるのかなと思います。そうでないと英語のクラスなんて溢れるほど存在していますからね。そしてどの英語レッスンもある程度いいクオリティーのものだと思います。特に児童英語はエンターテインメント性が高く、子供たちが楽しんで続けられる教材やレッスンも多く存在しています。
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